World > Latin America > Caribe > Dominica Rep. | ||||||||||||||||
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Artist | ||||||||||||||||
WILFRIDO VARGAS |
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Title | ||||||||||||||||
LA MUSICA |
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Review |
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デビュー以来在籍していたKARENを離れ、SONOTONEへ移籍しての第1弾。 メキシカン調ギターのイントロではじまり、スティール・ドラムの音色をまねたシンセを合図に軽快なメレンゲに様変わりする1曲目の'DOS ROSAS'は、デビューまもないラス・チカス・デル・カンのコーラス、なかでもミリアム・クルースのヴォーカルが最高にキュート!この1曲ですでに本盤の成功は約束されていると断言していい。 ルビー・ペレスに続き、ウィルフリードの最強のヴォーカル・ユニットを支えたエディ・エレーラも本盤を最後にグループを脱退し独立する。エレーラの置き土産というべきが、フィドルとバンジョーを使ったカントリー&ウェスタン調のイントロではじまる異色メレンゲ'LE FALTA ALGO'。エキセントリックな感じが魅力だったペレスにたいして、エレーラのヴォーカルは男っぽいセクシーさが売り。曲によって、ウィルフリードは二人をうまく使い分けていた。2本の柱を失ったことで、その後のアルバムでは、ウィルフリード本人がリード・ヴォーカルをとる比率が高くなり(かれは本来トランペッターであった)、よりアイディア勝負になっていく。 そういう企画的なおもしろさが全面に発揮されたのが、マーチ風の祝祭的メレンゲ'EL DISCURSO'であったり、ベネズエラのフォルクロアをメレンゲに調理したメドレー'FIESTA VENEZOLANA' であったり、メキシコ讃歌のメドレー'FIESTA MEXICANA'であったりする。これらはすべて天才的シェフであるウィルフリードがいろんなところからおいしい素材を見つけてきて仕立て上げたコラージュ風の無国籍料理。そのピークが'ANIMATION'だろう。 いっぽうで、今回もズーク・ブームの立て役者である小アンティル諸島のグループ、カッサブの作品を'VAFE CON LECHE'としてポップにさりげなく調理してしまう抜かりなさも健在だ。本盤に捨て曲といえるものは見あたらないが、なかでも、さきの'DOS ROSAS'とともに個人的に気に入っているのは、ブラジルのバイーア地方の音楽を連想させる'CHARO'だ。元来、メレンゲはリズムの中心をギィラとタンボーラが担ってきたため、ドラムスがあまり発達しなかったが、ここでは変拍子を刻むキレのいいドラムスが主役に躍り出ている。ポイントにチョッパー・ベースを入れてみたり、凝りまくったアレンジはウィルフリードの独壇場といえそう。 |
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(10.15.02) |
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